破綻した親子関係になったのは、一体いつ頃からだったろうか?裕福な家庭ではあったが、幼少期の楽しい思い出なんて、殆ど無い気がする。中学生までは地元で優等生だった自分も、高校に入ってからは、荒れ放題で、結構、心配を掛けたに違いない。親父が死んでから、もう20年位経つが、考えてみれば、親父が死ぬ前に湯布院への温泉旅行を子供らでプレゼントしたのが、おそらく、唯一の親孝行だったと思う。今、病床に伏せる母親、自分ら子供姉弟の意見のすれ違いから、母親の病気一連ついては、一切関与しない事にしていたが、今後の改善が見通せない状況となった為、まだ余力があるうちに、自分なりのけじめとして、礼だけは言ってきた。世の中、色々な家庭があるが、経済的に裕福な家庭が幸せという事はないし、不幸な場合だってある。自分の生い立ちは、ある意味、不幸とも幸せとも言い難かった気がする。いずれにせよ、自分の子供に、そんな複雑な思いを繰り返えさせぬ様、自分の生い立ちを反面教師として、家族を見守っていきたい。